October 05, 2006

『手紙』

『手紙』の試写会に行って参りました笑い

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ストーリー・・・
川崎のリサイクル工場に向かう送迎バス。
後部座席に、野球帽を目深に被った青年の姿がある。
武島直貴、20歳。
パートタイムのおばさんたちや食堂の配膳係・由美子にもまるで打ち解けない暗い目をしたこの青年には、人目を避ける理由があった。
直貴を大学に進学させるための学費欲しさに盗みに入った邸宅で、誤って人を殺してしまった兄・剛志が、千葉の刑務所に服役中だったのだ。
そんな兄から、刑務所の検閲印が押された手紙が毎月届く。
少しでも兄の心が慰められればと、直貴は自らの日常を丹念に綴った返事を書き送っていた。
数度にわたる引越しと転職。
掴みかけたのに鼻先をすり抜けた、お笑い芸人になる夢。
はじめて愛した女性との痛切な別離。
兄貴がいる限り、俺の人生はハズレ。
そういうこと―。
耐え切れずに自暴自棄になる直貴を、深い絶望の底から救ったのは、常に現実から目をそらさず、日の当たる場所へと自分を引きずり出してきた由美子の存在だった。
仕事も軌道に乗りはじめ、夢と希望に溢れる未来が待っているはずだった。
しかし、そのささやかな幸せが再び脅かされるようになった時、直貴は決意する。
―塀の中から届き続ける、この忌まわしい『手紙』という鎖を断ち切ってしまおうと・・・

?兄貴、元気ですか?これが最後の手紙です。?


この映画は被害者家族の苦しみを中心にしたものでも、犯罪者の更生までを描いたものでもなく、加害者家族の苦しみを描いた重いテーマの社会派ドラマでした。
罪を犯す人の中にどれだけ、その後に残される家族のことまで考えて罪を犯す人がいるでしょうか?
まずそんなことまで考えている人はいないでしょう。
それが分かっていたら犯罪など起こせるはずがないと思うのです。
殺人を犯すということが、どれだけ周りの人の人生を狂わすかを考えさせられる映画でした。

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兄弟2人きりで生きてきた直貴と剛志にとって、ふたりの絆は絶大なはずでした。
弟を大学に入れようと頑張って働いていた兄が、身体を壊して職を失う。
自分と同じ苦労はあじあわせたくないからと、どうにかしてお金を手に入れたい。
それが兄の学費欲しさに盗みに入った理由でした。
なんて軽はずみな行動だと言ってしまえばそれまでですが、それほどまで兄の弟への思いが強かったのでしょう。
その時はまだその後の弟の苦しみを知らないのですから・・・

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最初は兄の心を少しでも救おうと手紙を書き綴っていた直貴ですが、数度にわたる引越しと転職、掴みかけたのに鼻先をすり抜けた、お笑い芸人になる夢、はじめて愛した女性との痛切な別離など、全てに対しいつも『強盗殺人犯の弟』がついてまわる生活。
そんな生活に追い込み、毎月送られてくる兄からの手紙・・・
家族だからこそ、絆が強ければ強いほど、余計にその犯罪を許せないのでしょう。

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この映画で3度泣けるシーンがありました。
電気店の会長の言葉。
決して優しいことは言っていない。
むしろ直貴にとても厳しいことを言っている。

『差別のない国を探すんじゃない、君はここで生きていくんだ――』


会長自身、直貴が悪くはないことは分かっている。
それでも家族の絆(繋がり)は、関係ないでは済まされない。
だからこそ、逃げずに立ち向かっていかなくてはならないということを、優しく、そして厳しく直貴に伝えていました。

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そして直貴の被害者の遺族との対面。
兄から送られてくる手紙が忌々しく思えていた直貴ですが、もっと忌々しく感じていたのは被害者の遺族でしょう。
どんなに謝罪されても、どんなに時が経っても、死んだ人が戻ってくるわけではない。
許せるわけではないのに、加害者家族の思いを知った被害者家族の言葉。

『もう終わりにしましょう』


そして玉山鉄二の演技。
ラストに見せる兄の祈りの様、台詞はないものの、剛志の思いがダイレクトに伝わってくるような演技。
思い出しただけでも泣けてきます。
ごめんなさい、許してください、恐怖とそしてありがとうが伝わってくる、言葉無き演技。
迫真、渾身の演技でした。
犯罪を起こした時や兄弟のシーンよりも、服役中に手紙を書いている姿、読んでいる姿、手紙が来なかった時の後姿、食事を受け取る時の姿、そしてラストシーン、この台詞の無いシーンの剛志の心情が物凄い伝わってきて、心にドスンときました。

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服役すれば罪が償えるわけではない。
犯罪者は被害者だけでなく、加害者家族の人生も考えなくてはならない。
死ぬよりも生きて罪を償うことがどんなに辛く、大変なのか・・・
結局罪は償えないものではないでしょうか。
ただただ、その重荷を背負って生きていくしかないのでしょう。

主題歌の『コ・モ・レ・ビ』・・・全く記憶に残ってません。
それだけ小田和正の『言葉にできない』が映画によい効果を与えていました。
ここぞというタイミングでかかったこの曲の、この『言葉にできない』という言葉がストーリーに更に深みを与えていました。

話の中心は確かに加害者の家族でしたが、この映画で同時に被害者と加害者本人の背負っていくものも分かって、観て本当に良かったと思いました。
そして手紙はパソコンなどの活字ではなく、やはり自分の手で書いてこそ手紙だと思いました。

最後にほぼずーっと出ていた山田孝之。
漫才の内容はどうかと思いますが、たどたどしかった漫才がだんだんこなれてきたのは、流石だと思いました。
なんだかとても貴重なものを見た気がします。

是非、公開されたらもう1度観たいです。

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1. 『手紙』  [ 京の昼寝~♪ ]   March 03, 2010 08:38
差別のない国を探すんじゃない。君はこの国で生きてくんだ。     ■監督 生野滋朗■脚本 安倍照雄、清水友佳子■原作 東野圭吾(「手紙」毎日新聞社、文春文庫刊)■キャスト 山田孝之、玉山鉄ニ、沢尻エリカ、尾上寛之、吹越満、田中要次、杉浦直樹、吹石...

コメント一覧

1. Posted by BlogPetのまめぞう   October 08, 2006 13:48
きょうは武まで川崎が武まで川崎の姿を配膳しなかった?

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始めましてcoropyです。
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